【初めに神は天地を創造された】 創世記1章1~5節

2017年1月1日

 神の時は初めがあり終わりがあります。それを聖書は創世記に初めをヨハネ黙示録が時の終わりとして述べています。歴史は神の業であることを語るその出発点としてこの1節があるのです。歴史の序論として神がご自身の計画に従って秩序ある世界の創造を、創世記が書かれた時代の考えかたとして述べたものです。この初めと終わりは時間的なものではなく、すべての出来事の出発点を神様の御業として語っているのです。

 一昨年だったと思いますが、科学者達(日本人も含まれた)が実験装置の中でヒッグス粒子が見つかったというニュースがありました。それは宇宙の誕生の時、ビックバン(大爆発)によって膨張を続ける宇宙の切つ掛けになったとする説の中です。理論物理学者達はその時多くの素粒子(17種類といわれる)が飛び出した。その素粒子の一つヒックス粒子が飛び回る質量のない素粒子を次々と捉え、質量を持った原子核となり原子・分子となり質量を持ち、やがて星が出来宇宙が出来たとする説でした。そのヒックス粒子が見つかったというのです。このヒックス粒子がなかったらあらゆる粒子は光速で飛んでしまい宇宙は存在していないのです。それゆえか学者達はヒックス粒子を神の手と呼んでいます。私はこのビックバン説を神の創造と結びつけようとは思いませんが、科学者が宇宙論から神の手といわれるヒックス粒子を発見したことに深い興味を持ちました。

 理論物理学から離れ、ユダヤの祝日を述べます。ロシ・ハシ祭九月、新年を記念する。ヨム・キップール祭 贖罪の為に断食と祈りの日。スコット仮庵祭、3~4月、荒野の放浪を偲ぶ。パサハ過越祭、エジプト脱出を記念する。シャブオット五旬節パサハの50日後、モーセの十戒を祝う。ハネカ光の祭り、ギリシャに対する勝利を祝う。プリム祭エステル記に述べられている。エステルが民族を救うために命をかけた記念日です。

 ロシ・ハシ祭。新年祭には十戒を収めた神の箱を先頭にして行進行列が行なわれました。来る一年を通じて、神様ガイスラエルを統治することを表す儀式が行なわれ、その儀式の式文として創世記1章と詩篇104篇が読まれました。新年祭は時間的な新しさではなく無から世界創造がなされたその創造の新しさを祝ったのです。

 新年も新聞も時間の経過で古くなります。一時的な新しさですぐ古くなります。νεοσネオス。ニュースの語源です。いつまでも変わらない新しさは、καινοσカイノス。新約聖書は新しい約束です。新年によく引用されますコリント第二の5章17節「キリストに結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた」もこの変わらざる新しさです。

 ユダヤでの新年祭に、創世記1章が式文として読まれるのも無から創造されたものでも時間の経過で古くなっていく事を語っているのです。私たちが主によって救われ聖くされるのはキリストに在りていつまでも聖さが古びないからです。新年に当ってカイノスの信仰を確立しましょう。